自家塗装の話その1 下処理編

自家塗装の仕方 下塗り編

自家塗装を行うにあたっての方法についてまとめてみようと思います。
バイクの整備を行なっていると、色を変えたくなったり、経年劣化で色あせて来ていて、綺麗にしてあげたかったり。

しかし、お家で塗装するのは、パーツをバラせるだけの工具も知識も必要です。その工具が揃っても、パーツの脱着が出来ても、その後の塗装の方法を知っていないと、塗った時は綺麗でもすぐに剥がれちゃったりしてしまうのです。

なので今回はそんな自家塗装について、1つの参考程度にまとめてみたいと思います。

塗装したい箇所

塗装したくなる箇所って、
エンジン
フレーム
エキパイ
カウル
フロントフォーク
スイングアーム
ホイール

など目につくところがほとんどです。
カウルの塗装については、いろんな人が書いていそうなので今回は金属への塗装について着目したいと思います。

下処理

さて、まずは表面処理なのですが、これは後述するものすべてに言えますが金属塗装でも非金属塗装でも重要なのは下処理です。
金属に至ってはこの表面処理も剥がすことが本来の塗料性能を発揮する条件になりますので、できればサンドブラストなどの加工をして地肌を出す必要があります。
それができない時には、サンドペーパーなどで地道に下処理を施します。

大切なのは表面を滑らかにすること、錆があるなら完全に除去すること。
そうすることで、上塗りも綺麗になるし、後から錆が発生して、塗り直しってことも少なくなります。塗料の密着力も高まりまるので小傷で剥がれたりすることも減るのです。

下塗り

パーツによってはそのままベースコート(色)を乗せていくのですが、金属の地肌と塗料の相性は正直良くありません。
そのため、色を載せる前に、プライマーと呼ばれる接着剤のような成分を載せる必要があるのです。

その下塗りでよく聞くのはみんな大好きプラサフ。
塗装を紹介するページでは必ずといっていいほど出てくるワードです。

このプラサフとは、プライマーサーフェイサーと呼ばれるもので接着剤と表面処理の下地を作る機能を持っています。
その中でもプライマーに特化して探すと出てくるのがウォッシュプライマーとエポキシプライマー。

この子たちは、サーフェイサーを乗せる前の塗料たちでプライマーの役割と表面処理の役割を持っています。

ウォッシュプライマー

ウォッシュプライマーとは、金属表面を腐食させて塗装の食いつきをよくしますってものです。
簡単に言うと、ツルツルの金属でも錆びるとザラザラになるので引っかかるよって言うような感じです。
そんな役割なので、厚塗りするものでもありません。ほんのりうっすら塗ればそれでいいのです。
また、塗った後に放置もできない(保護する成分は皆無)ので、すぐにサーフェイサーなりベースコートなり塗る必要があります。

ただここが意見の分かれるところなのですが、ウォッシュプライマーって鉄には良いのですが、アルミには適さないって俗説があったりします。
シッケンズのデータシートではアルミでも大丈夫って書いてあるので大丈夫なんだと思います。

エポキシプライマー


自動車補修などをしていると、金属の凹みをパテで埋めたりします。パテがある時にはウォッシュプライマーは使えません。その時使うのがエポキシプライマーなのですが、簡単に言えばエポキシボンドの塗装版みたいなものです。
とにかく、塗膜も厚く耐久性に優れています。船舶補修や建築系にも使われるので、耐久性は高いようです。

しかし、純粋なエポキシプライマーって売っているところが少なくプロユースなものだったりします。エアゾール缶も調べた限り出てきません。

エポキシプライマーではないのですが、ジンクコートなどの亜鉛含有の塗料では変性エポキシが使われているのですが、エポキシプライマーの代わりとなるのかどうかは、ちょっと試してみたいと思います。
ただジンクリニッチはアルミに適しておらず、塗るのは逆効果なので、ジンクコートを代わりにするのは難しそうです。

これら2つのプライマーは上塗り塗料が指定されており、基本的にはウレタン塗ってねって感じの表記がありますので、メーカーのデータシートとにらめっこしないと、下から塗り直しになってしまいますのでご注意を。

プラサフ

ウォッシュプライマーもエポキシプライマーも高い!
上2つのプライマーを使わない時は、せめてソフト99でもホルツでもいいのでプラサフを使います。

目的としては、プライマー効果とサンディング。
サーフェイサーはサンディングをして、ベースコートの艶と密着を高めます。
サンディングによって滑らかにしてあげることでベースコートの仕上がりがまるで変わります。

まぁウォッシュプライマーを使ったところで、サーフェイサーは必要なのでコストを抑える時にはプラサフを使うといいと思います。

サーフェイサーって必要なのか?

プライマーの次に塗るのがベースコートかサーフェイサーなのですが結局目的次第です。
サーフェイサーを塗るメリットとしては、下地の傷を隠して塗膜を綺麗にすること、そして下地の色を隠蔽することが目的です。

例えば、自動車のボディを塗装するなら表面はピカピカにしたいはず。そのとき、サーフェイサーで磨かないと、せっかく塗った上塗りに磨き傷が浮き上がってしまいます。それを防ぐために、サーフェイサーを乗せて磨くのです。

女性にわかりやすく言えば化粧下地です。

じゃあベースコートを塗った後にサンディングすればいいのかと言うとメタリック塗料をサンディングしてしまうとせっかくメタリックの目を作っているのに潰してしまうことになるので反射が減ってぼやけてしまいます。

サーフェイサーをしっかり吹いて、しっかりサンディングすればベースコートを研磨する必要はありません。研磨はその後のクリアを塗ってから行うのです。

以下は個人的な見解ですが
エンジンやマフラーなどの耐熱塗料の場合焼き付けをして塗ることになるのと、耐熱性が必要なこと、そして大半はサンドブラストをかけて表面処理が終わっている状態なので、サーフェイサーは不要だと思っています。ベースコートに塗るものは耐熱でも、サーフェイサーが耐熱でないなら意味がないから。

また、FRPなどの造形物ではなく、フレームやスイングアームはある意味金属感などのためにあえて表面をツルツルにしない選択肢もあります。
その場合はサンディングせず、サンドブラストの目のまま塗るのもいいんじゃないかと思うのです。

結局は何にどう言う仕上がりを求めるのかで塗る塗料も変わってくるのです。
ただ、最低限下地の処理をきちんと行うことが前提でそれによって仕上がりと耐久性が変わってきます。

次回はベースコートについて、まとめてみたいと思います。

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